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サブカルテとは?歯科医院での役割と、紙運用の課題・電子化のポイント

サブカルテ電子化院内の情報共有
紙のサブカルテからタブレットへ。その場で記録し、院内で共有するイメージ

歯科医院の受付や診療室で「サブカルテ」という言葉を耳にすることがあります。法律で定められた診療録(カルテ)とは別に、多くの医院が患者さんごとに用意している補助的な記録のことです。この記事では、サブカルテが何のためにあるのか、紙で運用するとどこに手間がかかるのか、電子化するときに確認しておきたい点を整理します。

サブカルテとは

サブカルテとは、診療録(カルテ)とは別に、歯科医院が患者さんごとに運用する補助記録のことです。診療録には診療の事実(処置内容・使用した薬剤・請求に必要な情報など)を記載しますが、それだけでは「この患者さんがどんな要望を持っているか」「前回どんな説明をしたか」までは伝わりません。そこで、診療録に書ききれない情報をまとめておく場所として、サブカルテが使われています。

呼び方は医院によってさまざまで、「補助カルテ」「カウンセリングシート」「患者ノート」などと呼ばれることもあります。共通しているのは、患者さんを理解し、次の診療につなげるための記録だという点です。

サブカルテに書くこと

医院によって内容は異なりますが、一般的には次のような情報がまとめられています。

  • 初診時のカウンセリングで伺った主訴・要望・不安なこと
  • 治療計画と、患者さんに説明した内容・同意の記録
  • 口腔内写真、レントゲン、模型の写真などの画像
  • スタッフ間の申し送り(「次回は○○の説明を」「痛みに敏感な方」など)
  • 定期検診・メインテナンスの経過や、生活習慣に関するメモ

電子カルテ・レセコンとの違い

電子カルテやレセコン(レセプトコンピュータ)は、診療の記録と保険請求のためのシステムです。処置内容や算定に関する情報を正確に残し、レセプトを作成することが役割で、記載のルールも決まっています。

一方のサブカルテは、患者さんとのやり取りや院内の申し送りといった、形式の決まっていない情報を残すためのものです。手書きのメモや写真、図など、自由な形で記録できることが大切で、電子カルテやレセコンの入力欄には収まりにくい情報を担っています。両者は置き換える関係ではなく、役割を分担する関係です。

診療録・レセコン診療の記録と保険請求処置内容・使用薬剤算定・レセプト記載ルールが決まっているサブカルテ患者さんの理解と、次の診療のため要望・不安・説明した内容口腔内写真・レントゲンスタッフ間の申し送り置き換える関係ではなく、役割を分担する関係
図1: 診療録・レセコンとサブカルテの役割分担

紙のサブカルテで起きやすい課題

紙のファイルで運用している医院では、次のような手間や困りごとがよく挙がります。

  • 探す・運ぶ時間── 来院のたびに受付で紙のファイルを探し、診療室へ運び、終わったら戻す。患者さんが多い時間帯ほど負担になります
  • 保管場所── 患者さんが増えるほどファイルも増え、棚やキャビネットのスペースを圧迫します
  • 情報共有のしにくさ── ファイルは1冊しかないため、受付・診療室・カウンセリングルームで同時に見ることができません
  • 写真の管理── 口腔内写真やレントゲンは別のシステムや紙で管理され、サブカルテとひも付けるのに手間がかかります
  • 転記の二度手間── 診療中にメモした内容を、後から清書したりシステムに入力し直したりする作業が発生します

サブカルテを電子化すると変わること

サブカルテをタブレットなどで記録する形に置き換えると、上の課題の多くが解消されます。紙のファイルを探して運ぶ作業がなくなり、院内のどこからでも同じ記録を見られるようになります。写真もその場で撮ってそのまま保存できるため、後からひも付ける手間が要りません。過去の紙のサブカルテはスキャンして取り込めば、切り替えの時点から一元管理できます。

紙の運用ファイルを探す診療室へ運ぶメモを取る後で清書・入力棚へ戻す電子化その場で記録院内で共有写真もその場で登録。過去の紙のサブカルテはスキャンして取り込む
図2: 紙の運用と、電子化した運用の流れ

電子化するときに確認したいポイント

サブカルテの電子化を検討するときは、次の点を確認しておくと、導入後に「紙のほうが早かった」とならずに済みます。

  1. 手書き入力ができるか── 歯式の上に直接書き込む、図を描いて説明するといった使い方は、キーボード入力だけでは再現しにくい部分です
  2. 写真をその場で登録できるか── 口腔内写真やレントゲンを撮ってすぐに保存できるか。ファイル数の上限やアップロードの手順も確認します
  3. 定型文・タグで入力を省けるか── よく使う説明や状態を選ぶだけで入力できると、チェアサイドでの記録が速くなります
  4. 院内での共有── 受付・診療室・カウンセリングルームで同じ記録を同時に見られるか
  5. 過去の紙のサブカルテの扱い── スキャンして取り込めるか、取り込んだ後の検索性はどうか
  6. レセコン・予約システムとの役割分担── サブカルテは診療録の代わりではありません。請求や予約は既存システムに任せ、連携できるかを確認します

まとめ

サブカルテは、診療録では拾いきれない「患者さんを理解するための情報」を残す記録です。紙で運用しているとファイルの出し入れや保管、共有に手間がかかりますが、電子化すればその場で記録が完成し、院内どこからでも同じ情報を見られるようになります。手書き・写真・定型文・共有・過去分の取り込み・既存システムとの役割分担、この6点を確認しながら検討してみてください。

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