歯科の予約システム比較で見るべき5つの観点|機能一覧では分からない違い

予約システムWEB予約比較の観点
予約表とスマートフォンのWEB予約画面、比較の5つの観点のチェックリスト

歯科医院で予約システムを新しく入れる、あるいは入れ替えるとき、各社の機能一覧を並べるところから始める方が多いと思います。ところが実際に並べてみると、WEB予約・自動返信・リマインド送信といった項目はどれにも書かれていて、決め手が見つからない、ということが起こります。機能の名前が同じでも、自院の予約の取り方に合うかどうかは別の話だからです。この記事では、特定の製品名を挙げずに、歯科の予約システムを比較するときに確認しておきたい5つの観点と、比較の進め方を整理します。

比較の前に、自院の予約の取り方を書き出す

比較を始める前に、今の予約がどう回っているかを紙に書き出しておくと、その後の判断が早くなります。書き出す対象は次のようなことです。

  • 予約枠を何の単位で区切っているか(時間だけか、チェア単位か、担当者単位か)
  • 処置の種類ごとに所要時間がどれくらい違うか(定期検診、形成、メインテナンス、自費のカウンセリングなど)
  • 電話でどんな用件がかかってきているか。予約の変更・キャンセルが何割くらいを占めるか
  • 初診と再診で、受け方や確認することがどう違うか
  • リコール(定期検診)の案内を誰が、どのタイミングで出しているか

ここが言葉になっていないまま機能一覧を比べると、「できること」の多さで選んでしまい、導入後に自院の運用と噛み合わないことがあります。逆に、書き出しておけば、デモを見るときに自院の1日を再現してもらうという頼み方ができます。

患者さんから見る

迷わず予約が取れるか

  • 予約ページへの入口
  • 空き枠の見え方
  • 変更・キャンセルの操作

医院から見る

予約表が診療の形に合うか

  • チェア・担当者の単位
  • 処置ごとの所要時間
  • 重複予約の防ぎ方
  • リコールの案内
  • 院内システムとの分担
  • 導入後のサポート

どちらか一方だけを見ると、運用に乗らない

図1: 予約システムの比較で見る5つの観点。患者さん側と医院側の両方から確認する

観点1: 患者さんが最後まで予約を進められるか

WEB予約は、機能としてあるかどうかよりも、患者さんが途中で止まらずに進めるかが問われます。実際に自分でスマートフォンから予約を取ってみて、次の点を確認してみてください。

  1. 入口までの距離── 医院のホームページや地図サービスの情報から、何回タップすれば予約画面に着くか
  2. 空き枠の見え方── 空いている日時がひと目で分かるか。希望の日が埋まっているとき、近い候補が示されるか
  3. 入力する項目の多さ── 初診で入力を求める項目が多すぎないか。問診をどこまでWEBで受け取るかは、受付の手間とのバランスで決めます
  4. 変更・キャンセルの操作── 患者さん自身で変更できるか、電話が必要か。ここが電話だけだと、WEB予約を入れても受付の電話は残ります
  5. 予約後の連絡── 確認とリマインドがどの手段で届くか(メール、SMS、アプリなど)。届かなかったときに医院側で気づけるか

観点2: 医院の予約表が、診療の形に合うか

予約システムの中心は、患者さん向けの画面ではなく医院側の予約表です。ここが自院の診療の形に合わないと、結局は紙やホワイトボードが併存することになります。

  • チェア単位・担当者単位・その両方など、どの軸で予約表を並べられるか
  • 処置の種類ごとに所要時間を変えられるか。ユニットの空きと担当者の空きを別々に扱えるか
  • WEB予約に開放する枠と、電話や窓口だけで埋める枠を分けられるか
  • 重複予約や、開けておきたい時間帯の扱いをどう制御するか
  • 予約の状態(初診・再診・キャンセル・未来院など)が一覧の中で見分けられるか
  • 受付・診療室・カウンセリングルームなど、複数の場所から同時に見られるか

画面の見た目の好みも、毎日触るものなので軽視できません。デモでは、混み合う時間帯の予約表を再現して見せてもらうと、実際の使い勝手が分かりやすくなります。

観点3: リコールの案内をどう出せるか

定期検診の案内(リコール)をどう扱うかは、予約システムによって考え方が分かれる部分です。ハガキや電話で運用している医院も多く、そこをシステムに任せるかどうかで、受付の仕事の形が変わります。確認したいのは次の点です。

  • 前回来院からの経過や処置内容をもとに、案内の対象を絞り込めるか
  • 案内の手段(メール、SMS、アプリの通知、ハガキの宛名出力など)が自院の患者層に合っているか
  • 案内を送った記録が残り、反応があった人・なかった人を後から追えるか
  • 案内の文面を医院ごとに編集できるか

観点4: 既存の院内システムとの役割分担

すでにレセコンや電子カルテを使っている場合、予約システムをどう並べるかを決める必要があります。予約システムはレセコンの代わりではありません。患者情報をどちらに持たせるのか、二重入力が発生しないかを、導入前に整理しておきます。

  • 患者情報の登録は、レセコンと予約システムのどちらが起点になるか
  • 両者の間で情報をやり取りする仕組みがあるか。ない場合、どの作業が手入力で残るか
  • 自動精算機やサブカルテなど、ほかの院内システムと予約情報を共有する必要があるか
  • データが自院の手元に取り出せる形になっているか(乗り換えや閉院時のことも含めて)

連携の可否は、レセコンの機種やバージョンによって変わります。「連携できます」という言葉だけでなく、自院が使っている機種名を伝えたうえで、何がどこまでやり取りされるのかを具体的に確認してください。

観点5: 導入後の運用とサポート

比較検討の段階では見落とされがちですが、運用が始まってからの差は大きい部分です。

  1. 既存予約の移行── 今入っている予約をどう移すのか。手入力なら誰がいつやるのか。移行期間中は新旧どちらで受けるのか
  2. スタッフの習熟── 操作説明の範囲、マニュアルの有無、新しく入ったスタッフへの説明を医院だけでできるか
  3. 問い合わせ窓口── 受付時間、連絡手段、診療時間中に困ったときにどれくらいで返答が来るか
  4. 障害時の運用── システムが見られないときに、その日の予約をどう確認するか。印刷や書き出しの手段があるか
  5. 費用の形── 初期費用と月額の内訳、ユニット数や院数で金額が変わるか、契約期間と解約の条件
  1. 1現状を書き出す

    今の予約の取り方電話の内容と件数

  2. 2条件を決める

    譲れない点と諦めてよい点

  3. 3同じ条件で見る

    自院の1日をデモで再現する

  4. 4移行を確認

    既存予約の移し方費用と期間

機能一覧の比較から始めない。自院の予約の取り方を先に言葉にしておく

図2: 比較を進める手順。機能一覧ではなく、自院の予約の取り方から始める

まとめ

歯科の予約システムは、機能一覧を横に並べても差が見えにくいものです。先に自院の予約の取り方を書き出し、患者さんが最後まで予約を進められるか、医院の予約表が診療の形に合うか、リコールの案内をどう出せるか、既存の院内システムとどう分担するか、導入後の運用とサポートはどうか── この5つの観点で見ていくと、自院にとっての違いが見えてきます。デモを見るときは、各社に同じ条件を伝え、自院の1日を再現してもらうのがおすすめです。

PLUM CONNECT の PLUM CALENDAR は、歯科医院向けの予約管理システムです。WEB予約、予約状況の色分け表示、リコールの案内配信に対応しています。サブカルテを電子化する PLUM NOTE と組み合わせて使うこともできます。比較の材料として、自院の予約の取り方に合うかどうかをご確認ください。