
初診の患者さんに、来院してから待合室で問診票を書いてもらい、受付で電子カルテや予約システムに書き写す。多くの歯科医院で続いているこの流れは、Web問診を予約システムと連携させることで、来院前に移すことができます。この記事では、予約とWeb問診をつなぐと何が変わるのか、来院前に何を聞くのか、紙の問診票からどう移していくのかを整理します。予約システムそのものの選び方は「歯科の予約システム比較で見るべき5つの観点」をご覧ください。
予約と連携したWeb問診
- 予約が入る
- 来院前にスマホで回答
- 回答が患者情報に入る
- 診療前に目を通す
紙の問診票
- 来院
- 待合室で記入
- 受付で転記
- 診療前に目を通す
紙の問診票では、記入と転記が来院してから診療までの間に入る
予約システムとWeb問診を連携させると何が変わるか
Web問診だけを単独のフォームとして使うこともできますが、予約システムとつながっていないと、届いた回答を「どの予約の、どの患者さんのものか」と受付で照らし合わせる手間が残ります。連携していると、次の点が変わります。
- 転記がなくなる── 回答が患者情報に紐づいて保存されるため、紙の問診票の内容を受付で入力し直す作業が要りません。書き写すときの読み間違いや入力漏れも起きにくくなります
- 来院前に内容を確かめられる── 診療の前日や当日の朝に回答を見ておけば、主訴に合わせた準備や、服薬・既往歴で気をつけることの確認を、患者さんが来る前に済ませられます
- 当日の受付が短くなる── 来院してから問診票を書く時間がなくなるため、初診の患者さんが受付から診療に入るまでの流れが短くなります。待合室が混み合う時間帯ほど違いが出ます
- 回答していない人が分かる── 予約と回答が同じ画面で見られれば、来院前に回答が届いていない患者さんを受付が把握でき、当日に紙で受けるなどの段取りを先に決めておけます
来院前に聞くこと・来院時に確かめること
紙の問診票の項目をそのままWebに移すと、スマートフォンでは長すぎて途中でやめてしまう患者さんが出てきます。来院前に聞いておきたいことと、来院時に口頭で確かめれば足りることを分けておくと、回答してもらいやすくなります。
来院前に聞いておきたいこと
- 主訴(今日いちばん困っていること)── 痛み、詰め物が取れた、検診・クリーニング希望など。選択肢を用意し、詳しい内容は自由記述にすると答えやすくなります
- 全身の状態── 治療中の病気、服用中の薬、アレルギー、妊娠の可能性など、処置の前に把握しておきたいこと
- 治療についての希望── 痛みへの配慮、通院できる頻度や曜日、保険診療か自費診療かの希望など
来院時に確かめれば足りること
- 保険証(マイナ保険証)の確認
- 回答の中で分かりにくかった点、診療前に詳しく聞きたい点
- 回答後に変わったこと(症状の変化、新しく飲み始めた薬など)
回答によって質問を出し分けられる(分岐できる)問診であれば、たとえば「服用中の薬がある」と答えた人にだけ薬の名前を聞く、といった形で、全員に答えてもらう項目を減らせます。
問診のURLを届けるタイミング
Web問診は、患者さんが問診の存在を知り、来院前に開いてもらえなければ使われません。届ける場面は、予約の流れに合わせて選びます。
- Web予約の完了画面・完了通知── 予約を取った直後は、医院のことを思い出している時間です。続けて問診に進んでもらえるよう、完了画面や確認のメッセージに案内を入れます
- 電話で予約を受けたとき── 電話の最後に「来院前にスマートフォンで問診に答えられます」と伝え、メールやLINEでURLを送ります
- 予約の前日のリマインド── 予約確認の連絡に、まだ回答していない人向けの案内を添えます。リマインドの送り方は「歯科医院の無断キャンセル対策」でも触れています
紙の問診票からの移し方
紙の問診票を一度にやめる必要はありません。次の順で進めると、受付が混乱しにくくなります。
- 今の問診票を見直す── 使われていない項目、診療で実際に見ている項目を洗い出し、来院前に聞くことと来院時に確かめることに分けます
- 初診から始める── まずは初診の患者さんを対象にします。再診の方の「前回から変わったこと」の確認は、慣れてから広げます
- 紙の問診票も残しておく── スマートフォンの操作が難しい方や、回答しないまま来院された方には、これまでどおり紙で書いてもらいます。どちらで受けたかを受付で分かるようにしておきます
- 回答の確認を誰がいつするか決める── 回答が届いても、診療前に誰も見ていなければ意味がありません。前日の終業時や当日の朝など、確認する人と時間を決めます
問診で受け取る病歴や服薬の情報は、個人情報保護法で「要配慮個人情報」に当たる、扱いに特に注意が要る情報です。問診の冒頭で利用目的を示し、回答を見られるスタッフの範囲を決めておきます。
予約システムを選ぶときに確認したいこと
- 回答が患者情報・予約と紐づくか── 別のフォームサービスで受けた回答を、受付で手作業で照らし合わせる形になっていないか
- 質問の分岐や署名に対応しているか── 回答によって質問を出し分けられるか、同意書のように署名をもらう項目を作れるか
- 問診の内容を医院で変えられるか── 項目の追加や文言の変更を、医院の側でできるか
- 回答状況を予約と同じ画面で見られるか── 当日の予約一覧で、回答済みかどうかが分かるか
まとめ
Web問診は、予約システムと連携させることで、転記をなくし、来院前に回答を確かめ、当日の受付を短くできます。導入するときは、来院前に聞くことと来院時に確かめることを分け、問診のURLを予約の流れの中で届け、紙の問診票を残しながら初診から始めるのがおすすめです。
PLUM CONNECT の 歯科医院向け予約システム PLUM CALENDAR では、患者さんが来院前にスマートフォンで問診に回答でき、回答内容によって質問を分岐させたり、署名を入力してもらったりできます。回答は患者情報に紐づくため、受付での転記は要りません。Web予約やLINE連携、受付・会計まで、同じ患者情報の上で使えます。
