歯科医院の無断キャンセル対策|予約の取り方・リマインド・空き枠の扱い

無断キャンセル予約管理リマインド
予約表の空いた枠と、スマートフォンに届く予約のリマインドを描いたイラスト

予約の時間になっても患者さんが来ず、連絡もつかない。歯科医院では、この無断キャンセルが起きると、その時間のチェアとスタッフの手が空くだけでなく、通院の間隔が空いて治療計画が遅れることにもつながります。無断キャンセルを完全になくすことは難しいものの、予約を取ってから来院するまでの流れを見直すと、減らせる余地は少なくありません。この記事では、受付でできる対策を段階ごとに整理します。

無断キャンセルが起きやすい場面

対策を考える前に、自院でどんな無断キャンセルが多いかを振り返っておくと、手を打つ場所を絞れます。よくあるのは次のような場面です。

  • 予約したこと自体を忘れている── 次回予約を数週間先に取った場合や、定期検診の予約で起きやすくなります
  • 都合が悪くなったが、連絡しづらい── 診療時間内に電話をかけられない、電話で断るのが気まずい、といった理由で連絡をあきらめてしまうケースです
  • 痛みが治まって、行かなくてもよいと思った── 急患で来院した患者さんが、症状が落ち着いたあとの予約に来なくなるケースです
  • 日時を勘違いしている── 口頭だけで予約を伝え、手元に記録が残っていない場合に起きやすくなります

「忘れていた」「連絡しづらかった」が多いなら連絡の仕組みで、「行かなくてよいと思った」が多いなら治療の説明で、と打つ手が変わります。

  1. 1予約を取るとき

    日時を復唱して伝える連絡方法を案内する

  2. 2来院の前日

    リマインドを送る変更・キャンセルの入口も添える

  3. 3キャンセルが出たら

    空いた枠を早めに確認急ぎの患者さんへ案内

  4. 4来院しなかったら

    連絡して次の予約を取る記録をスタッフで共有

どこか一か所ではなく、予約から来院までの流れ全体で少しずつ減らしていく

図1: 予約から来院までの各段階で打てる手

予約を取るときにできること

最初の予約の取り方で、その後の無断キャンセルの起きやすさが変わります。

  • 日時を復唱し、手元に残る形で渡す── 予約カードや診察券への記入、予約確認のメッセージなど、患者さんがあとから見返せる形にします
  • 次回の治療内容と、間隔が空くとどうなるかを伝える── 「次は型を取ります」「仮の詰め物なので間を空けないでください」など、その予約がなぜ必要かが分かると、優先して来てもらいやすくなります
  • 変更・キャンセルの連絡方法を案内する── 電話のほか、Web予約やLINEから変更・キャンセルできるなら、その方法も伝えておきます
  • 先の予約は、患者さんの予定がはっきりしているかを確かめる── 数か月先の定期検診は、日時をその場で決めるか、近くなってから案内するかを医院として決めておきます

前日のリマインドで「忘れていた」を減らす

予約したことを忘れていた、という無断キャンセルには、予約の前日などにリマインド(予約確認の連絡)を送るのが基本です。受付が一件ずつ電話で確認する方法もありますが、件数が多いと診療時間中の負担が大きくなるため、予約システムから自動で送る医院が増えています。

  • 届く手段を、患者層に合わせる── メール、SMS、LINEなど、患者さんが普段見ているものを選びます。年齢層によって使っている手段が違うこともあります
  • リマインドに、変更・キャンセルの入口を添える── 予約日時だけでなく、都合が悪い場合の連絡先や変更の方法を一緒に載せると、無断キャンセルが「連絡のあるキャンセル」に変わります
  • 送るタイミングを決める── 前日に送るのか、数日前にも送るのか。休診日をはさむ場合はいつ送るのかも決めておきます

キャンセルを連絡しやすくする

無断キャンセルの中には、「行けなくなったが、電話するのをためらった」ものが含まれます。キャンセルそのものは避けられなくても、事前に連絡がもらえれば、空いた枠をほかの患者さんに回せます。電話以外にも、Web予約の画面やLINEから患者さん自身で変更・キャンセルできるようにしておくと、診療時間外や移動中でも連絡してもらいやすくなります。

あわせて、受付に「ご都合が悪くなった場合は、ご連絡をお願いします」と掲示したり、予約時に一言添えたりすると、連絡してよいという雰囲気が伝わります。キャンセル料を設けるかどうかは医院ごとの判断ですが、設ける場合も設けない場合も、方針を院内に掲示して患者さんに伝えておくと、受付での説明がそろいます。

空いた枠の扱いを決めておく

キャンセルの連絡が入ったときに、その枠をどう使うかを決めておくと、空き時間を減らせます。

  • 予約表で空き枠をすぐ確認できるようにする── 紙の台帳と予約システムが分かれていると、空いたことに気づくのが遅れます。窓口・電話・Webの予約を同じ台帳で管理していると、空き枠がすぐに見えます
  • 早めの来院を希望している患者さんに案内する── 「早く空きが出たら連絡がほしい」という患者さんを控えておき、空きが出たら連絡する
  • Web予約に空き枠を戻す── Web予約を受け付けている場合は、空いた枠がそのまま予約できる状態になるかを確認しておきます

来院しなかった患者さんへの対応と記録

無断キャンセルが起きたら、その日のうちに連絡を取り、次の予約を取り直せるかを確認します。治療の途中で間隔が空くと困る場合は、その理由もあわせて伝えます。

あわせて、無断キャンセルがあったことを記録に残し、スタッフ間で共有しておくと、次に予約を受けるときの判断材料になります。たとえば無断キャンセルが続いている患者さんには、予約時に連絡方法をあらためて伝える、前日に電話でも確認する、といった対応を受付全員で取れます。記録の残し方が人によって違うと共有が続かないため、予約表のどこに、どう書くかを決めておきます。

まとめ

歯科医院の無断キャンセルは、一つの対策でなくせるものではありません。予約を取るときに日時と治療の必要性を伝え、前日にリマインドを送り、キャンセルを連絡しやすくし、空いた枠をすぐ確認できるようにして、起きたときは記録を共有する。この流れを整えていくと、無断キャンセルを少しずつ「連絡のあるキャンセル」に変えていけます。Web予約を始める場合の進め方は「歯科医院のWeb予約、導入から定着までの進め方」、予約システムの選び方は「歯科の予約システム比較で見るべき5つの観点」もあわせてご覧ください。

PLUM CONNECT の PLUM CALENDAR は、歯科医院向けの予約システムです。予約確認メールに加え、予約のリマインドをLINEで自動配信でき、患者さまはLINEから予約のキャンセルができます。キャンセルの多い患者さまの情報をスタッフ間で共有することもできます。